「転職先から内定をもらったけれど、今の会社に退職をどう伝えればいい?」「上司に言い出しにくい」「引き止められたらどうしよう」と悩んでいませんか?
転職活動の中でも、今の会社へ退職を伝える瞬間は特に緊張する場面です。
これまでお世話になった上司や同僚のことを考えると、「迷惑をかけるのではないか」「関係が悪くならないか」と不安になる方も多いでしょう。
しかし、退職を必要以上に申し訳なく考える必要はありません。
大切なのは、感情的に切り出したり突然退職届を出したりするのではなく、退職の意思を固めたうえで、適切な順番と伝え方で話を進めることです。
この記事では、転職に伴って退職を伝えるタイミング、上司への切り出し方、退職理由の伝え方、そのまま使える会話例、引き止められた場合の対応まで詳しく解説します。
「実際になんと言えばいいのか分からない」という方は、記事内の例文を自分の状況に合わせて使ってみてください。
- 退職を伝える前にまず確認しておきたいこと
- 退職は誰に最初に伝える?
- 退職を伝えるタイミングはいつがいい?
- 退職を伝える時間帯はいつがいい?
- 上司への退職の切り出し方
- 退職の話をするときの基本的な順番
- 退職理由はどこまで正直に話すべき?
- 退職理由で避けたい伝え方
- 転職先の会社名は伝える必要がある?
- 上司に「退職を考え直せないか」と言われたら?
- 「給料を上げるから残ってほしい」と言われた場合
- 「今辞められると困る」と言われた場合
- 「退職時期を延ばしてほしい」と言われた場合
- 引き止められたときに避けたい対応
- 退職日を決めるときに確認したいこと
- 最終出社日と退職日は同じとは限らない
- 退職までの引き継ぎでやること
- 引き継ぎ資料は「業務一覧+案件状況+注意点」で作る
- 顧客や取引先への退職挨拶は会社と相談してから行う
- 退職届・退職願を提出するタイミング
- 退職時に会社へ返却するものを整理する
- 退職時に受け取る書類も確認しておく
- 退職までにやってはいけないこと
- 退職を伝える前の最終チェックリスト
- 退職を伝える前に転職先の条件をもう一度確認しよう
- 退職や転職の進め方を一人で決めるのが不安な場合
- 退職を伝えるときによくある質問(FAQ)
- 退職を伝えるときに使える会話テンプレート
- 退職を伝えてから最終出社日までのチェックリスト
- 円満退職のために意識したい5つのこと
- 退職を伝える直前の保存用チェックリスト
- 退職を伝えることに罪悪感を持ち過ぎなくていい
- まとめ|退職は「意思は明確に、対応は丁寧に」が基本
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退職を伝える前にまず確認しておきたいこと
転職先が決まったからといって、すぐに上司へ「辞めます」と伝えるのはおすすめできません。
退職を切り出す前に、いくつか確認しておきたいことがあります。
- 転職先から正式な内定・条件提示を受けているか
- 転職先へ入社する意思が固まっているか
- 現在の会社の就業規則を確認したか
- 希望する退職日を考えているか
- 転職先の入社予定日と調整できているか
- 自分が担当している業務や引き継ぎ内容を整理したか
特に重要なのが、転職先から正式な条件提示を受け、自分がその条件に納得しているかです。
「ほぼ内定と言われている」「最終面接の感触が良かった」といった段階で退職を伝えるのは避けたほうが安全です。
給与、勤務地、雇用形態、入社日などの重要条件を確認したうえで、転職する意思を固めてから退職の話を進めましょう。
内定後に確認しておきたい条件については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
【チェックリスト付き】転職の内定後に確認すること15選|労働条件で後悔しないポイント
退職は誰に最初に伝える?
退職の意思は、基本的に直属の上司へ最初に伝えます。
仲の良い同僚や先輩へ先に相談したくなるかもしれませんが、正式に話が決まる前に退職の情報が広がると、上司が別の人から知ってしまう可能性があります。
そうなると、必要以上に関係がこじれることもあります。
退職を決めたら、まず直属の上司へ時間を取ってもらい、直接伝えるのが基本です。
直属の上司を飛ばして、いきなり部長や人事部へ伝えるのも、特別な事情がなければ避けたほうがよいでしょう。
退職を伝えるタイミングはいつがいい?
退職を伝える時期は、現在の会社の就業規則や転職先の入社予定日、自分の業務状況などを考えて決めます。
重要なのは、退職日から逆算して早めに話を始めることです。
退職までには、上司との話し合いだけでなく、退職日の調整、社内手続き、担当業務の引き継ぎ、有給休暇の扱いなどを整理する必要があります。
特に、顧客を多く担当している営業職や管理職などは、引き継ぎに時間がかかることがあります。
「転職先の入社日が決まったので、来週で辞めたい」と急に伝えると、現在の会社だけでなく、自分自身も慌ただしくなってしまいます。
転職先の入社日だけで考えず、現在の会社で円滑に引き継ぎできる期間も考慮することが大切です。
退職を伝える時間帯はいつがいい?
上司へ退職を伝えるときは、周囲に人が多い場所や忙しい時間帯を避けましょう。
朝一番の慌ただしい時間や、重要な会議の直前に突然「退職したいです」と伝えるより、上司が落ち着いて話を聞ける時間を確保するほうが適しています。
まずは、次のように個別で話す時間をお願いしましょう。
少しご相談したいことがあるのですが、本日どこかでお時間をいただけますでしょうか。
または、予定調整が必要な場合は次のように伝えます。
ご相談したいことがありますので、30分ほどお時間をいただくことは可能でしょうか。
この段階では、チャットやメールで退職の詳細まで伝える必要はありません。
まずは上司と落ち着いて話せる時間を確保しましょう。
上司への退職の切り出し方
実際に上司と話す場では、前置きを長くし過ぎず、退職の意思を明確に伝えることが大切です。
緊張すると、「ちょっと今の仕事について悩んでいて……」「実は転職活動をしていまして……」と遠回りに話したくなるかもしれません。
しかし、曖昧な表現を続けると、「部署異動の相談なのか」「仕事の悩みなのか」「退職相談なのか」が上司に伝わりません。
退職すると決めているのであれば、相談という形を取りつつも、自分の意思ははっきり伝えましょう。
基本的な切り出し方
お時間をいただきありがとうございます。突然のご報告で申し訳ありません。今後のキャリアについて考えた結果、退職させていただきたいと考えております。
この後に、退職希望日や理由について話します。
ポイントは、「辞めてもいいでしょうか?」と許可を求めるような言い方ではなく、退職の意思を丁寧に伝えることです。
退職の話をするときの基本的な順番
上司へ退職を伝える際は、次の順番で話すと整理しやすくなります。
- 時間を取ってもらったことへのお礼
- 退職する意思
- 退職を決めた理由
- 希望する退職時期
- 引き継ぎを責任を持って行う意思
一連の会話例
お時間をいただきありがとうございます。
突然のご報告で申し訳ありませんが、今後のキャリアについて考えた結果、退職させていただきたいと考えております。
これまで経験させていただいた仕事には大変感謝していますが、今後は新しい環境でこれまでの経験を活かしながら、さらに仕事の幅を広げたいと考えるようになりました。
可能であれば〇月末での退職を希望しております。
担当している業務については、できる限りご迷惑をおかけしないよう、引き継ぎを責任を持って進めたいと考えています。
すべてをこのまま暗記する必要はありません。
自分の言葉に置き換えて、退職意思・理由・希望時期・引き継ぎについて伝えられれば十分です。
退職理由はどこまで正直に話すべき?
退職理由を聞かれたときに、「本当の理由を全部話すべきか」と悩む人も多いでしょう。
例えば、実際の理由が次のような場合です。
- 給与に不満がある
- 上司と合わない
- 会社の将来性に不安がある
- 仕事がつまらない
- 残業が多い
- 評価に納得できない
これらが退職を考えたきっかけだったとしても、すべてをそのまま伝える必要はありません。
退職時の目的は、会社への不満を伝えることではなく、退職の意思と今後の予定について認識を合わせることです。
そのため、基本的には将来に向けた理由へ整理して伝えると話を進めやすくなります。
キャリアアップを理由にする例
これまでの経験を活かしながら、今後は新しい領域にも挑戦し、仕事の幅を広げたいと考えたことが理由です。
別の業界へ挑戦する場合
今後のキャリアを考えたときに、これまでの経験を活かしながら新しい業界へ挑戦したいという気持ちが強くなり、転職を決めました。
仕事内容を変えたい場合
今後は〇〇の分野でより専門性を高めたいと考えるようになり、その方向へキャリアを進めることを決めました。
現在の会社を必要以上に否定せず、「これから何をしたいのか」を中心に説明すると、円満に話を進めやすくなります。
退職理由で避けたい伝え方
退職を決めた理由として不満があったとしても、感情的な言葉は避けましょう。
NG例① 上司や同僚への不満をそのまま伝える
上司のやり方についていけないので辞めます。
退職することが決まっている状況で、人間関係の問題を強く批判しても、自分にとって大きなメリットはありません。
NG例② 会社を否定する
この会社には将来性がないと思ったので辞めます。
会社や事業を否定する伝え方も、必要以上に関係を悪化させる可能性があります。
NG例③ 給与への不満だけを伝える
給料が安いので、もっと条件の良い会社へ行きます。
給与が転職理由の一つだったとしても、それだけを強調すると、給与を上げる条件で引き止められる可能性もあります。
退職の意思が固まっている場合は、今後のキャリアや新しい挑戦など、条件だけでは変わらない理由を伝えるほうが話を進めやすくなります。
転職先の会社名は伝える必要がある?
退職を伝えると、「次はどこの会社へ行くの?」と聞かれることがあります。
転職先について、どこまで伝えるかは慎重に考えましょう。
関係性によっては業界や職種程度を伝える場合もありますが、会社名まで詳しく話したくないのであれば、無理に伝える必要はありません。
会社名を伝えたくない場合の例
新しい環境で挑戦することは決まっているのですが、先方との関係もありますので、現時点では会社名については控えさせてください。
または、次のように簡潔に伝えることもできます。
これまでの経験を活かせる業界への転職を予定しています。詳細については、正式に入社してから改めてお話しできればと思っています。
無理に隠している印象を与える必要はありませんが、自分が話せる範囲を決めておきましょう。
上司に「退職を考え直せないか」と言われたら?
退職を伝えると、上司から引き止められることがあります。
特に、経験のある社員や重要な顧客を担当している人の場合は、会社として残ってほしいと考えることもあるでしょう。
まずは、引き止めてくれたことへの感謝を伝えます。
そのように言っていただけることは本当にありがたいです。
そのうえで、退職の意思が固まっていることを伝えましょう。
いろいろと考えたうえで決めたことで、今後のキャリアについても含めて意思は固まっています。大変申し訳ありませんが、退職させていただきたいと考えています。
一度退職を伝えた後に気持ちが揺れないよう、事前に「なぜ転職を決めたのか」を自分の中で整理しておくことも大切です。
今の会社を続けるか転職するかという判断そのものに迷っている場合は、こちらの記事も参考にしてください。
今の仕事を続けるべきか悩んだ時に考えたいこと|後悔しない働き方の見つけ方
「給料を上げるから残ってほしい」と言われた場合
引き止めの中でも迷いやすいのが、昇給や役職など現在より良い条件を提示された場合です。
例えば、次のように言われることがあります。
給与を上げる方向で考えるから、もう一度考え直せないか。
この場合、すぐに条件だけを比較するのではなく、そもそも何が理由で転職活動を始めたのかを思い出しましょう。
転職理由が給与だけだったのであれば、条件改善によって残る選択肢も考えられるかもしれません。
一方で、仕事内容、キャリア、働き方、会社の方向性など複数の理由があった場合は、給与だけ改善しても根本的な問題が残る可能性があります。
退職意思が変わらない場合は、次のように伝えます。
条件についてご配慮いただき、本当にありがとうございます。ただ、今回の転職は給与だけを理由に決めたものではなく、今後のキャリアを考えたうえでの判断ですので、退職の意思は変わりません。
「今辞められると困る」と言われた場合
業務が忙しい時期や人手が不足している場合、「今辞められると困る」と言われることもあります。
自分が抜けることで周囲へ負担がかかると思うと、申し訳なく感じるかもしれません。
ただし、その気持ちと退職する意思は分けて考えましょう。
業務への影響を少なくするためにできることは、退職自体を諦めることではなく、丁寧に引き継ぎを行うことです。
ご迷惑をおかけすることは大変申し訳なく思っています。担当している業務については、できる限り影響が出ないよう引き継ぎ資料を作成し、後任の方への引き継ぎも責任を持って進めます。
このように、退職意思は変えずに、引き継ぎへ協力する姿勢を示しましょう。
「退職時期を延ばしてほしい」と言われた場合
退職希望日を伝えると、「もう少し残れないか」「繁忙期が終わるまで待ってほしい」と相談されることがあります。
会社側にも引き継ぎや人員配置の事情があるため、一定の調整が必要になる場合はあります。
ただし、転職先の入社日が決まっている場合は、安易に退職日を大きく変更しないようにしましょう。
まずは、どこまで調整できるかを自分の中で整理します。
- 転職先の入社日は変更できるのか
- 現在の会社の引き継ぎにどの程度必要か
- 有給休暇をどのように使いたいか
- 自分が受け入れられる最終退職日はいつか
調整できる余地がある場合は、次のように伝えます。
引き継ぎについてはできる限り対応したいと考えています。転職先との入社日もありますので、〇月〇日までであれば調整可能です。それ以降については難しいため、その範囲でご相談させていただければと思います。
一方で、入社日が動かせない場合は、その事情を丁寧に伝えます。
大変申し訳ありませんが、転職先の入社日が決まっているため、〇月末での退職を希望しております。そこまでの期間で、できる限り引き継ぎを完了できるよう対応いたします。
退職時期を調整するときは、現在の会社への配慮だけでなく、転職先との約束も同時に守る必要があります。
引き止められたときに避けたい対応
引き止めを受けると、気まずさから曖昧な返事をしてしまうことがあります。
しかし、退職の意思が固まっている場合は、次のような対応は避けましょう。
NG① 「少し考えます」と曖昧にする
すでに転職先への入社を決めているのに、「考え直すかもしれません」と受け取られる言い方をすると、話が長引く可能性があります。
感謝は伝えつつ、意思は明確にしましょう。
NG② 感情的に反論する
「もっと早く評価してくれれば辞めなかった」「今さら言われても遅い」といった言葉は、関係を悪化させる原因になります。
過去への不満ではなく、今後のキャリアを基準に話しましょう。
NG③ 転職先の条件を交渉材料にする
「次の会社は年収が〇万円高いので、それ以上なら残ります」といった交渉にすると、本来の退職理由が曖昧になります。
本当に残る可能性がある場合を除き、転職先の条件を使って現在の会社と駆け引きするのは避けたほうが無難です。
退職日を決めるときに確認したいこと
上司へ退職意思を伝えた後は、具体的な退職日を調整します。
退職日を考えるときは、次の項目を整理しておきましょう。
- 転職先の入社日
- 現在の会社の就業規則
- 引き継ぎに必要な期間
- 有給休暇の残日数
- 最終出社日
- 退職手続きに必要な書類
例えば、退職日が3月31日でも、有給休暇を取得する場合は最終出社日が3月中旬になることがあります。
その場合は、最終出社日までに引き継ぎを終えられるよう、逆算してスケジュールを作る必要があります。
最終出社日と退職日は同じとは限らない
退職日の調整では、「最終出社日」と「退職日」を分けて考えると整理しやすくなります。
例えば、次のようなスケジュールです。
| 項目 | 例 |
|---|---|
| 退職意思を伝える | 2月1日 |
| 引き継ぎ期間 | 2月〜3月中旬 |
| 最終出社日 | 3月15日 |
| 有給休暇 | 3月16日〜3月31日 |
| 退職日 | 3月31日 |
| 転職先入社 | 4月1日 |
実際のスケジュールは会社の制度や業務状況によって異なりますが、退職日だけでなく、引き継ぎと最終出社日まで含めて考えておきましょう。
退職までの引き継ぎでやること
円満退職を目指すうえで、特に重要なのが引き継ぎです。
退職を伝えた後の働き方は、周囲からも見られています。
「もう辞める会社だから」と仕事を雑にするのではなく、最後まで責任を持って対応しましょう。
主な引き継ぎ内容は次のとおりです。
- 担当業務の一覧を作る
- 顧客・取引先情報を整理する
- 進行中の案件を整理する
- 今後予定されている対応を整理する
- 社内の関係者を整理する
- 資料やデータの保存場所を整理する
- 後任者へ注意点を共有する
営業職の場合の引き継ぎ例
| 項目 | 記録内容 |
|---|---|
| 顧客名 | 株式会社〇〇 |
| 担当者 | 営業部〇〇様 |
| 契約内容 | 利用サービス・契約期間 |
| 現在の状況 | 追加提案を検討中 |
| 次回対応 | 〇月〇日に提案予定 |
| 注意点 | 価格よりサポート体制を重視 |
後任者が「次に何をすればいいのか」まで分かる状態を目指しましょう。
引き継ぎ資料は「業務一覧+案件状況+注意点」で作る
引き継ぎ資料を複雑にし過ぎる必要はありません。
最低限、次の3つが分かれば、後任者も業務を引き継ぎやすくなります。
- どんな業務を担当しているか
- 現在どこまで進んでいるか
- 次に何をする必要があるか
特に、担当者本人しか知らない情報を残さないことが重要です。
メール、チャット、個人のメモなどに分散している情報も、できるだけ会社で確認できる場所へ整理しておきましょう。
顧客や取引先への退職挨拶は会社と相談してから行う
営業職などでは、担当顧客へ退職を伝える必要があります。
ただし、上司へ退職意思を伝えた直後に、自分の判断で顧客へ連絡するのは避けましょう。
社内で退職日や後任者が決まってから、上司と相談して挨拶のタイミングを決めます。
顧客へ伝える内容としては、次のようなものがあります。
- 退職すること
- これまでお世話になったことへの感謝
- 最終出社日
- 後任者
- 今後の連絡先
取引先への挨拶例
私事で恐縮ですが、このたび〇月〇日をもちまして退職することとなりました。
これまで〇〇様には大変お世話になり、心より感謝申し上げます。
今後は後任の〇〇が担当させていただきます。引き継ぎについては責任を持って進めてまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
転職先の会社名など、必要のない情報まで取引先へ伝える必要はありません。
退職届・退職願を提出するタイミング
退職に関する書類の扱いは会社によって異なります。
退職願や退職届を提出するルールがある会社もあれば、社内システム上で手続きを行う会社もあります。
そのため、いきなり書類を作成して提出するのではなく、上司へ退職意思を伝えた後に、人事部や上司から案内された手続きに従いましょう。
確認したいのは次のような項目です。
- 退職願・退職届が必要か
- 誰に提出するか
- 提出期限
- 会社指定の書式があるか
- オンライン申請が必要か
会社独自のルールがある場合は、それに沿って進めるとスムーズです。
退職時に会社へ返却するものを整理する
退職時には、会社から貸与されているものを返却する必要があります。
代表的なものは次のとおりです。
- 社員証
- 入館証
- 健康保険証など会社から返却を求められるもの
- 会社用スマートフォン
- パソコン
- 名刺
- 制服
- 社用車の鍵
- 会社から貸与された備品
返却漏れがないよう、人事部や総務部から案内される退職手続き一覧を確認しましょう。
退職時に受け取る書類も確認しておく
退職後の転職先での手続きや税金・社会保険関係で必要になる書類があります。
会社からどの書類がいつ発行されるのか確認しておきましょう。
転職先への入社まで期間が空く場合は、必要な手続きが変わることもあります。
分からない場合は、現在の会社の人事担当者や転職先の担当者へ確認しましょう。
退職までにやってはいけないこと
① 退職が決まったからと仕事を雑にする
退職日が決まっても、在籍中は会社の一員です。
最後まで担当業務と引き継ぎへ責任を持ちましょう。
② 社内情報を持ち出す
顧客情報、営業資料、社内データなどを個人的に持ち出すことは避けましょう。
転職先で役立ちそうだからという理由でも、現在の会社の機密情報を持ち出してはいけません。
③ 同僚へ会社の悪口を言い続ける
退職前になると、「実はずっと不満だった」と話したくなるかもしれません。
しかし、最後に悪い印象を残す必要はありません。
感謝を伝え、できる限り気持ちよく退職できる状態を目指しましょう。
④ 転職先の情報を必要以上に話す
転職先の給与や会社名、細かな条件を多くの人へ話す必要はありません。
聞かれても、自分が話してよい範囲で答えれば十分です。
退職を伝える前の最終チェックリスト
上司へ退職を伝える前に、次の項目を確認してみましょう。
- □ 転職先から正式な内定を受けている
- □ 転職先の労働条件を確認した
- □ 転職する意思が固まっている
- □ 現在の会社の就業規則を確認した
- □ 希望退職日を考えた
- □ 転職先の入社日を確認した
- □ 直属の上司へ最初に話す準備ができている
- □ 退職理由を簡潔に説明できる
- □ 引き止められた場合の返答を考えた
- □ 転職先についてどこまで話すか決めた
- □ 担当業務の引き継ぎ内容を把握している
- □ 有給休暇の残日数を確認した
すべてを細かく決めてから話す必要はありませんが、少なくとも退職意思・理由・希望退職時期は整理しておきましょう。
退職を伝える前に転職先の条件をもう一度確認しよう
退職意思を会社へ伝えると、その後に転職を取りやめるのは簡単ではありません。
そのため、上司へ話す前に、転職先から提示された条件をもう一度確認しておきましょう。
特に確認したいのは次の項目です。
- 年収
- 基本給
- 賞与
- 固定残業代
- 勤務地
- 転勤
- 仕事内容
- 役職
- 試用期間
- 入社日
条件に疑問が残っている場合は、退職を伝える前に転職先へ確認しておくと安心です。
転職先の条件をほかの求人と比較しながら判断したい方は、ワンキャリア転職を活用する方法もあります。
退職や転職の進め方を一人で決めるのが不安な場合
「いつ会社へ退職を伝えればいいか分からない」「入社日との調整が不安」「現在の会社から強く引き止められている」という場合は、転職エージェントへ相談する方法もあります。
転職エージェントを利用している場合は、転職先との入社日調整や、退職までのスケジュールについて相談できることがあります。
自分に合う相談先から探したい方は、転職AGENT Naviを活用する方法もあります。
現在の会社の退職予定時期や転職先の入社予定日を整理したうえで相談すると、今後のスケジュールも考えやすくなります。
退職を伝えるときによくある質問(FAQ)
Q. 退職はメールやチャットで伝えてもいいですか?
退職の意思は、可能であれば直属の上司へ直接伝えることをおすすめします。
メールや社内チャットは、上司と話す時間を調整するために使うとよいでしょう。
ご相談したいことがありますので、本日どこかでお時間をいただくことは可能でしょうか。
この段階で、「退職します」と詳細まで書く必要はありません。
ただし、リモート勤務などで対面する機会がない場合は、オンライン会議や電話で相談する方法もあります。
Q. 転職先が決まる前に退職を伝えてもいいですか?
事情によっては先に退職する選択もありますが、転職を前提にしているのであれば、次の会社が正式に決まってから退職を伝えるほうが安心です。
転職先が決まる前に退職すると、収入が途切れたり、「早く次を決めなければ」という焦りから転職先選びで妥協したりする可能性があります。
少なくとも、転職先から正式な条件提示を受け、仕事内容や給与、勤務地、入社日などに納得してから判断しましょう。
Q. 上司に「退職は認められない」と言われたらどうすればいいですか?
まずは感情的にならず、自分の退職意思と希望時期を改めて丁寧に伝えましょう。
会社側が「困る」「もう少し残ってほしい」という意味で強く引き止めている場合もあります。
ご迷惑をおかけすることは大変申し訳なく思っています。ただ、今後のキャリアについて十分に考えたうえで決めたことですので、退職の意思は変わりません。引き継ぎについては責任を持って対応いたします。
退職に関する具体的な手続きや期間について疑問がある場合は、自社の就業規則などを確認し、必要に応じて専門家や公的な相談窓口へ確認してください。
Q. 退職理由で「一身上の都合」と言えばいいですか?
書類上の退職理由と、上司との会話で理由を聞かれる場面は分けて考えましょう。
上司から理由を聞かれた場合は、「今後のキャリアを考えて新しい環境へ挑戦したい」など、簡潔に説明できる内容を用意しておくと話しやすくなります。
現在の会社への不満を細かく並べる必要はありません。
Q. 転職先の会社名を聞かれたら答えないといけませんか?
話したくない場合は、無理に会社名まで伝える必要はありません。
業界や仕事内容など、話せる範囲だけ伝える方法もあります。
これまでの経験を活かせる仕事への転職を予定しています。先方との関係もありますので、会社名については現時点では控えさせてください。
Q. 同僚にはいつ退職を伝えればいいですか?
直属の上司へ退職意思を伝え、社内で退職日や今後の進め方が決まってからにしましょう。
正式決定前に仲の良い同僚へ話してしまうと、噂として先に広がる可能性があります。
誰へいつ伝えるかについては、上司と相談してから進めると安心です。
Q. 引き止められて気持ちが揺れたらどうすればいいですか?
すぐに結論を変えるのではなく、転職活動を始めた理由をもう一度整理してみましょう。
例えば、次のような項目です。
- 年収
- 仕事内容
- 働き方
- 評価制度
- 人間関係
- 将来のキャリア
- 会社の方向性
現在の会社から提示された改善案で、転職理由そのものが解消されるのかを考えます。
「引き止めてもらえてうれしい」という感情と、「今後どちらの環境で働きたいか」は分けて判断しましょう。
退職を伝えるときに使える会話テンプレート
ここまでの内容を、実際の場面別にまとめます。
最初に上司へ時間をもらう場合
少しご相談したいことがあります。本日どこかで30分ほどお時間をいただくことは可能でしょうか。
退職意思を伝える場合
お時間をいただきありがとうございます。突然のご報告で申し訳ありません。今後のキャリアについて考えた結果、退職させていただきたいと考えております。
退職理由を聞かれた場合
これまで経験させていただいた仕事には本当に感謝しています。そのうえで、今後は新しい環境でこれまでの経験を活かしながら、さらに仕事の幅を広げたいと考え、転職を決めました。
希望退職日を伝える場合
転職先の入社予定日もあるため、可能であれば〇月〇日を退職日としてご相談させていただきたいと考えています。
「考え直してほしい」と言われた場合
そのように言っていただけることは本当にありがたいです。ただ、今後のキャリアについて十分に考えたうえで決めたことですので、退職の意思は変わりません。
給与アップを提示された場合
条件についてご配慮いただき、ありがとうございます。ただ、今回の転職は給与だけを理由にしたものではなく、今後のキャリアまで考えて決めたことですので、退職させていただきたいと考えています。
「今辞められると困る」と言われた場合
ご迷惑をおかけすることは大変申し訳なく思っています。担当業務については、できる限り影響が出ないよう引き継ぎ資料を作成し、後任の方への引き継ぎも責任を持って対応いたします。
転職先を聞かれた場合
これまでの経験を活かせる環境への転職を予定しています。先方との関係もありますので、詳細については現時点では控えさせてください。
退職を伝えてから最終出社日までのチェックリスト
退職意思を伝えた後は、次の項目を一つずつ確認していきましょう。
- □ 退職日が確定した
- □ 最終出社日を確認した
- □ 転職先の入社日と問題がないか確認した
- □ 有給休暇の残日数を確認した
- □ 引き継ぎスケジュールを作った
- □ 担当業務一覧を作った
- □ 進行中案件を整理した
- □ 顧客・取引先の情報を整理した
- □ 後任者へ必要事項を共有した
- □ 顧客への挨拶時期を上司と相談した
- □ 社内への退職共有時期を確認した
- □ 退職に必要な社内手続きを確認した
- □ 会社へ返却する備品を整理した
- □ 会社から受け取る書類を確認した
- □ 私物や個人データを整理した
退職が決まると、新しい会社への期待から気持ちが転職先へ向きやすくなります。
しかし、現在の会社で最後まで丁寧に仕事をすることも大切です。
円満退職のために意識したい5つのこと
① 感謝を言葉にする
退職理由に不満が含まれていたとしても、これまで経験できたことや支えてくれた人への感謝は別の話です。
最後に「これまでありがとうございました」と伝えるだけでも印象は大きく変わります。
② 退職理由を必要以上に話さない
退職の場を、会社への不満をすべて伝える場にする必要はありません。
理由は簡潔に説明し、今後の手続きや引き継ぎへ話を進めましょう。
③ 引き継ぎを早めに始める
退職日直前になって大量の業務を後任者へ渡すと、十分な説明ができなくなります。
退職日が決まったら、担当業務を整理し、できるところから引き継ぎを始めましょう。
④ 最後まで仕事の質を落とさない
退職するからといって、遅刻が増えたり、仕事への対応が雑になったりすると、それまで築いてきた信頼を失ってしまいます。
在籍最終日まで、自分の担当業務へ責任を持ちましょう。
⑤ 無理に全員から理解してもらおうとしない
退職に対する反応は人によって異なります。
応援してくれる人もいれば、「なぜ辞めるの?」と納得しない人もいるでしょう。
全員を納得させようとする必要はありません。
退職意思を丁寧に伝え、必要な引き継ぎを行うことに集中しましょう。
退職を伝える直前の保存用チェックリスト
いよいよ上司へ話すというときは、最後に次の項目だけ確認してください。
- □ 本当に転職する意思は固まっている
- □ 転職先の条件を確認した
- □ 転職先の入社日を確認した
- □ 自社の就業規則を確認した
- □ 希望退職日を決めた
- □ 退職理由を1〜2分で説明できる
- □ 上司への最初の一言を決めた
- □ 引き止めへの返答を考えた
- □ 転職先について話す範囲を決めた
- □ 引き継ぎへ協力する意思を伝えられる
この10項目を準備しておけば、緊張しても話の軸がぶれにくくなります。
退職を伝えることに罪悪感を持ち過ぎなくていい
長く働いた会社や、お世話になった上司へ退職を伝えるときは、申し訳ない気持ちになることがあります。
特に、自分が担当している顧客や業務が多いほど、「自分が辞めたら周囲が困るのでは」と考えてしまうでしょう。
だからこそ、退職までの期間でできることを丁寧に行うことが大切です。
自分が抜けても仕事を続けられるように情報を整理し、後任者へ引き継ぐ。
お世話になった人へ感謝を伝える。
最後まで担当業務へ責任を持つ。
そこまでできれば、必要以上に「会社へ迷惑をかけてしまう」と考え続ける必要はありません。
転職は、これからの働き方やキャリアを自分で選び直すための一つの選択です。
今の会社を辞めるかどうか自体にまだ迷いがある場合は、一度立ち止まって転職理由を整理してみましょう。
40代で転職するべき人・しない方がいい人|後悔しないために考えたいこと
まとめ|退職は「意思は明確に、対応は丁寧に」が基本
転職先が決まった後、現在の会社へ退職を伝えることは簡単ではありません。
「上司にどう思われるか」「引き止められないか」「迷惑をかけないか」と不安になるのは自然なことです。
しかし、退職を伝えるときに重要なのは、難しい言葉や特別な交渉術ではありません。
退職する意思は明確に伝え、その後の対応はできる限り丁寧に行うことです。
退職を伝える流れをもう一度整理すると、次のようになります。
- 転職先の正式な条件を確認する
- 現在の会社の就業規則を確認する
- 希望退職日を考える
- 直属の上司へ時間をもらう
- 退職意思を明確に伝える
- 退職理由を簡潔に説明する
- 希望退職日を相談する
- 引き止められても冷静に対応する
- 引き継ぎを責任を持って進める
- 最後まで感謝を持って仕事をする
特に、退職理由を長々と説明したり、会社への不満をすべて伝えたりする必要はありません。
これまでの経験への感謝を伝えつつ、今後のキャリアを考えて決断したことを簡潔に説明すれば十分です。
また、引き止めを受けた場合も、その場の感情だけで判断せず、「なぜ転職を決めたのか」を思い出しましょう。
給与アップなど新しい条件を提示された場合も、自分が転職で変えたかったことが本当に解消されるのかを考えることが大切です。
退職を伝える瞬間は緊張しますが、話し始めてしまえば、その後は具体的な退職日や引き継ぎを調整していくことになります。
この記事の会話例とチェックリストを見返しながら、自分の言葉で落ち着いて伝えてみてください。


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